タロットカード・Tower-塔が意味すること

「それって…悪いカードですよね?!」
 
実際の個人セッションで、タロットカードの大アルカナ16番「Tower-塔」が登場した時には、そんなリアクションもありました。
変容のカードの1枚なのですが、同じように変容を意味する「Change-変化」や、見ためが結構刺激的な(?)「Death-死」(大抵ガイコツが描かれていたりする)、それよりも「えーーー(やだぁ)」的な反応が多いのかな、という気がします。

  • どの辺が避けたい、イヤなカードであるという解釈に発展しているのか
  • 単に「変容」と言っても、どういう違いがあるのか
  • 隠されたウラの意味

など、「Tower」について掘り下げ、考察しています。解釈の参考にされてみて下さい。

 

変わりたい VS 変わりたくない

人は、「変わりたい」と思う反面「変わりたくない」という思いも同時に持っているものです。
それが「顕在意識」という、意識的に突っ走って心の想いを無下にしている時もあれば、心という無意識の領域が、一生懸命「こっちです!!」と方向性を教えてきてくれている、という場合もあります。いずれにしても、自分自身の中での整合性がとれていないと、どこかでひずみが生まれ、変わりたい / 変わりたくない、といったような二極性が顕著になり、なんともモヤモヤする…という状況につながります。
 

あるいは
シンプルに「ホメオスタシス」ー恒常性の維持、という本能的・生理的に、安定を好み、変化を嫌う、が前面に出ている、ということもあるでしょう。
変わりたいけれど、変わりたくないーこの矛盾も不変というところですね。。

 

 

非常に想定外

Voyager Tarot-XVI-Tower

Towerー塔
今まで自分が積み上げてきたこと、それが高くそびえたつ「塔」という象徴になっており、それが「崩壊」→壊れます、ということから、かなり大きな変容を意味します。
そして、映画やドラマのシーンでも見られますが、これらの「塔」が崩れ落ちるのはなんとも「一瞬」であるということ。

Waite Tarot-XVI-Tower

「積み上げてきたこと」が、「一瞬」で崩れ落ちるという、なんといっても凄まじいスピードを伴っています。タロットカードの絵柄にあるように「根こそぎ」ガッシャンといっているところからも、その崩壊の凄まじさが漂う…
 
 
ゆっくりとマイペースに変わっていく、導きと共に…
なんていう優雅さではなく、「はいぃ終了!!」と、まだ使っているのにパソコンが勝手に強制終了されてしまうような感じでもあります。(加えて、データ保存されていない、みたいなダブルショック的)
それゆえー
そんな状況って…自分にどんなことが起きるんだろう?
いやだな、怖いな、と感じてしまうのは当然のことかもしれません。かなり想定外で、「まさか」ということが実際に自分の身に、という感じでしょうか?
 
 
占星術的に言えば、意味合いとしては「冥王星」に相当します。
冥王星は、惑星のジョーカーとも言われていたりしますよね。影の支配者、みたいな。(そもそもが、冥界という死後の世界の長、という世界観なので)
冥王星のちゃぶ台返しは有名な話なので、冥王星という星も好き / 嫌いがかなり分かれてしまうようです。(私は大好きですが)
 

そういった、変化のスピード / 大きさという点から敬遠されがちですが、
「でも、ありがたいですよね。そうやって変化を進めてくれるって、わかりやすいし」
と受け留める方もいるーこの辺もマインド次第ということも言えますね。
 
 
ここまでのハナシだと、ちょっと…と苦手に感じた方もいるかもしれませんが、Towerという崩壊の出来事は、単に壊し屋で壊しているだけのハナシではありません。
自身に必要な変容、として、大きなエネルギーが強制的に働いているに過ぎないのです。
そこまでしないと…あなたはなかなか変わることができないでしょう? と、お声がかかっている、そんな状態とも言えそうです。
 
 
 

崩壊ーその前と後

そして、単に壊し屋なのではなくー崩壊するには、その前の準備と、壊れた後の構築、どちらをも見通した流れになっています。

崩れる前に

現状は?、という問いに対して、このTowerが出てくることもあります。現状といっても、近未来を出してくることもありますので、今変容の真っ最中なのか、そろそろ何かが降ってくるのか(ガッシャンの…)。
 
そう聞くと、ドギマギしてしまいそうですが、それはもう既に「その下準備が整いました」ということの反面でもあります。いつまでも踏み出せないのは「顕在意識」だけ。だからもう踏みだすときー

 
いやいや、まだまだ心の準備も物理的な準備も…ということがあるのかもしれません。だとしたら、いわゆる”お尻に火がついたような”状態ーそうでもしないと、あなたはなかなか動かない。えーー、という状況になることで、本気を発揮できる、という流れです。
 
心配する気持ちはあれど、ここは「やるぞ」と覚悟を決めることの方が先決です。 
 
 
 

崩れたけれど

高く積みあがった「塔」の崩壊ーそこには、なにが残るでしょうか?

そのベースに、基盤にあった、本当に大事な大事なこと。
高い塔に紛れて視えなくなってしまった本質。
あぁ、これが大切だった。
そんな新しい気づきが生まれ、また新しいスタートを切ることができるのです。
崩れて、高い高い塔が倒れて、それでも最後に残ったのは…どんなことだったでしょうか?
ボイジャータロットカードの「Tower」には、たくさんの灯り(光)を持った、あなたを応援するサポーターたちや、春告げ鳥が登場しており、心配せずに踏み出すことも語られています。
 
 
 

宇宙意識が登場

タロットカードの16番「Tower」で、大きな変容を体験し、本当に大切なことに気づいたら、それ以外の他の全てを手放すことができたらー

次に登場するのは「星」「月」「太陽」といった宇宙意識たちーここから、ようやく魂は統合の道へと核心に入ります。
余計なもの、ことを手放す「Tower」という変容が起きなければ、統合意識という宇宙の星々のエネルギーが入る隙間がありませんでした。断捨離をすることで、クローゼットに隙間ができるのと同じです。


眼の前に起きていること、見えていることだけが真実なのではありません。
物理的には、霊性的にはーそれぞれの見方を取り入れることで、絶対的な信念体系は崩れ、心に余裕が生まれてきます。

あなたのTowerは、どんな変容をもたらしてくれるでしょうか?
視えない世界の解釈を頼りに、思い切って飛び出してみて下さい。きっと、あたらしい選択肢が見つかります。