タロットカード No18 Moon-月の解釈

タロットカードは、一つのツールとしての解釈になるので、どう捉えるのか / 意味するところは?、という回答は、ほかに展開されているカードたちや状況によっても異なります。

さらに
大アルカナであれば、包括している内容が多いため、質問に対するー答え、として何を言わんとしてるのか?は迷うところ。
またさらに
大アルカナの中でも、17番以降の「宇宙意識たち」のカードになると、意味も深くなってくることから「カードの意味」はわかっても、「この質問の答えとしては?」という具体性が…あいまいになりがちです。

非常に難解なカードの1枚である「Moonー月」
実際の天体の性質、占星術においてなど、さまざまな角度から「月」を読み解いてみました。リーディングの参考にしていただきましたらうれしいです。

約28日周期で新月ー見えない状態から、満月ーまん丸お月様へと見た目が変わる「月」。地球の衛星であることから、地球はこの「月」なくしては存在しえないという、非常に重要な役割を持っている and でもその全容はまだまだ解明されていない…そもそもの起源さえも「これ」というものが決まっていないほど謎の天体。


そういった、専門的な研究対象ということもありますが、なんといっても「月」は老若男女の「癒し」の存在そのものです。スピリチュアルに興味がある、ないに関わらず、ふと見上げた夜空に月が光っていると「きれいだな~」と心が和む。中秋の名月、などは日本の伝統的な行事のひとつでもありますね。
 
 
 

そんなほっこり癒し的存在の「月」ータロットカードでは、ちょっとイメージが異なっています。

Voyager Tarot-XVIII-Moon

ボイジャータロットの大アルカナ18番ーMoon-月
愛の女神アフロディーテさま…なにやらアンニュイな表情です。その後ろにはアポロさまが見えますが、この二人…本当に恋に落ちている最中なんでしょうか?? 全然目線も合わせていませんよね…

Moonのカードは
「感情」ーCupのカードの集大成のカードであり、常に揺れ動く波のような…というイメージが描かれています。
アフロディーテさまでさえ、なにやらうつろにため息をつきそうな。
そして、潜在意識下のイメージとして、オオカミの雄叫び・イルカ・スカラベなどが登場しています。

「月」は基本的に昼間は見えず、辺りが暗くなっている夜にはっきりと見えてくるもの。潜在意識という、奥に潜んだ無意識の領域は、普段は見えずに潜んでいますが、月灯りに照らされると…自然と浮かび上がってくる、そういった感じでしょうか?


今まで気づかなったことにも気づくようになるーだからこその「癒し」でもありますが、反面心がかき乱されて「アンニュイ」になってしまうこともあるのでしょう。まさしく、感情が揺れ動くということですね。
 
 
 

Tarot-XVIII-THE MOON.

続いて、タロットカードの元祖「ウェイト版タロット」
同じく大アルカナの18番ーTHE MOON.ー月のカードです。

またボイジャータロットとは雰囲気が異なり、今度はお月様がちょっと困惑顔…
あなたならどんなアテレコをつけるでしょうか?
「あぁもう…」「少し待ちなさい…」「一度に話さないで」
そんな感じかもしれません。

オオカミに犬、わざわざ海から上がってきてザリガニも参加、みなそれぞれがお月様に向かって「自己主張」なさっているよう…に見えますね。
お月様の心が乱れているからか、向こう側に見える海も、波が荒く大きく動いているようです。

コラージュで作成されたボイジャータロットとはイメージは異なりますが、核となる部分は同じー
○心の奥底にある思いが沸き上がってきている
 



満月には、出生率が上がるというデータと共に、また犯罪率も上がるということもあるようです。
海の底に眠るサンゴたちが、1年に1回産卵する時期は、大体5月から6月の満月日辺りということも決まっています。
月の威力恐るべしー
見えない世界を、見える化するパワー。そして、だからこそ感情は揺れ動くものの、その想いをまた癒すことができるのも「月」ならではのパワーです。

(リーディングの解釈例は、最後にまとめて書いております)
 
 

地球視点の「ジオセントリックチャート」では、「太陽」と共に「月」は非常に重要視されている天体です。太陽の持つ「オモテ」に対して「ウラ」である月、社会性に対してプライベート、素の自分の表現にあたります。
 
 

太陽系それぞれの惑星には「年齢域」が当てはめられています。
詳細は ↓ こちらをご参考にされてください

 
生まれたばかりの赤ちゃん、言葉もわからず倫理観など到底ありません。ただそこにあるのは「感覚」「感情」だけ。それらを表現する方法さえ知りませんが、その時の出来事、感情たちは潜在意識下にせつせつと積もっていき → のちの人格形成の基盤となる ⇒ 0才~7才辺りまでは「月」に関係する発達期とされています。
月が、揺れ動く「感情」の集大成、ということも納得できますね。
 
 
 

また、ホロスコープでは
地球の周りを、約28日で1周するという速さからも「移り変わり」が日々起こっている、ということが見て取れます。ルナリターンという、月回帰ー自分の出生図の月の位置と、現在の月とが重なる日も、年に13回あります。これらのサイクルを上手に生活に取り入れることで、「今」に集中しながらも、常にリフレッシュ / リスタートという、新しい区切りの気持ちになれることに一役買います。

毎月訪れる、新月や満月とは異なった「月とのつながり方」として、月回帰を意識してみるのも良い方法です。




少し見方を変えて、神聖幾何学の1つでもある「生命の樹」から、「月」を見てみましょう。

生命の樹(せいめいのき、英語: Tree of Life)は、旧約聖書の創成期(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木。命の木とも訳される。生命の樹の実を食べると、永遠の命を得るとされる。・・中略・・

ユダヤ教の神秘思想、カバラでは神による天地創造の象徴を10の円と22の直線で図式化した。その図はセフィロト(ヘブライ語: ספירות‎、英語: Sefirot、Sephirothic Tree)もしくは生命の樹(英語: Tree of Life)と呼ばれた。

wikipedia-生命の樹 (旧約聖書)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%81%AE%E6%A8%B9_(%E6%97%A7%E7%B4%84%E8%81%96%E6%9B%B8)

 
天地創造の象徴ー10の円と22の直線図(セフィロト)、これは神聖幾何学から生み出される神秘的な形の一つとして有名であり、タロットカードはこの「生命の樹」の概念がもとになっています。

セフィロトのイメージ図

地球も併せて10天体(冥王星が位置する部分は境界線、という扱いになっている)、地に足を付けた「地球」から、神の領域である土星以遠までーコツコツと積み上げていくという「下から上へ」の『進化』もあれば、神の領域からの伝達も同時に行われているー「上から下へ」というエネルギーの『下降』
それらは常に同時に行われ、エネルギーバランスはおのずと調整されているもの。
 
今回の注目点は「月」と、境界線である「冥王星」さらには頂点である「海王星」が、一並びになっているところです。
月の管轄であるセフィラ(1つの円)は「イエソド」ー象徴されるのは「基礎 / 土台」であり、月の持つ「潜在意識」「精神世界」という意味もあります。
チャクラにあてはめると、「第1チャクラ」ーここからのスタート、基底を意味しています。(チャクラカラーとは異なるカラーが当てはめられています)

 
つまり、「月」が世界の創造、私たちヒトとしての成長の『土台』となり、それは天からのエネルギーもダイレクトに反映する位置にあります。
 
 
行動のエネルギー源となるのが感情のエネルギー → 全ての感情の原型である愛のエネルギーであり、愛のエネルギーとは宇宙の根源のエネルギーそのものでもある。

「月」は、揺れ動く感情を引き受け、宇宙そのものの大きな愛で癒している。だからこそ土台であり、基盤となっているのでしょう。
 
 
 
 

アカシックの記録庫は、超意識という深い意識の部分にあるとされ、ここは個人の意識を超えたみなとつながっている領域です。「空(くう)」という、空間に無限に存在するような概念なので、どこの情報にアクセスするのか、という意図(質問)が非常に大切、といわれるのですが。


「月」は古代の昔から、生活に密着した偉大なる指標でもありました。月の満ち欠けによって、作物の収穫等の予定を立てたり、水害などを予知したり、ということが、国を問わず行われていました。
そして、心の糧となる崇拝や願いの象徴でもあったーどんなに悲惨な時にも、変わらず照らすその月灯りに、時には恨み説さえも吐き出し、そして時にはその光に癒され心が穏やかになりー


そう、月はなんでも知っている。ずっとずっと、私たちのはるか遠い祖先の存在たちからの想いも、ただひたすらにずっとそこに居て、見守ってきた「月」。
冒頭でも書いたように、そもそもの起源自体がまだまだ謎である天体。掘り下げてみると、その謎っぷりはさらに高まります。
 
 
よくわからないけれど、そうなんじゃないかな。
ふと、ひらめいて。
急になんか、降ってきた!
そんな風に、アカシックに眠る膨大な情報の中から、今の自分に必要な情報ー自分でも気づかずに心の奥底に沈んでいた情報を、感情を垣間見せてくれる。

「”なんでも知っている”月」だからこそ、月のエネルギーが手引きするように、私たちに「今」必要なことを送り届けてくれるようです。
(そういった意味でも「自身の月とつながる」ということを推奨しています)
 

 
 

謎であり、偉大であり、揺れる原因かと思いきや、ほっこり癒しでもある。そしていつもそこに居て、なんでも知っているー「月」とは理解しきれない、非常に不思議な天体です。
そんなMoonー月のカード、具体的なリーディングとしては
 

  • 眠っている意識、心の声である
    ⇒なにか抑圧感を感じていないか
     
  • 迷いや不安を抱えていないか
    ⇒それでも進む? いったん戻る?
     
  • 愛を育む(恋愛に限らず)
    ⇒表の、見えることに振り回されずに
     
  • 大きな変容の時
    ⇒「決断」ー決めることと、断つこと
     
  • シンプルに、プライベートの時間
    ⇒癒し、ゆとり、振り返りが必要


他に展開されるカードによっても、また広がりはでてきますが、大きなテーマは「感情」「ウラの意識」といったところになると思います。


「月」の美しさに、心が穏やかになりながらも、反面「ちょっともの悲しさ」を感じたら…なにか、魂が語りかけている合図かもしれません。眠っている「なにか」を思い出す時ー参考にされてみて下さい。


多くの人々から好かれる「まん丸お月様」は、実は壮大な天体ですが、日々の中では単純に「月を見て癒される」ということだけでも十分です。
天然石等、スピリチュアルツールの浄化法の一つに「月光浴」といって、月の光で浄化するという方法もあります。
 

そうして「月を感じる」ことで、「見えない世界」とのつながりー直観力も自然と鍛えられていきます。今日の「月」、そして「Moonのカード」は、なにをあなたに伝えているでしょうか?「あなた自身の月」とよりつながることで、そのメッセージはしっかりと浮かび上がってきます。