ボイジャータロット、大アルカナ1番-Magicinの人物カードが「Actorー俳優」です。現実に、魔術師のような人がいたらこんな人、というイメージが「Actor」ー魔法使いのマジシャンは、なんにでも七変化できる。実際の自分とは関係なく、どんな役でもこなしてしまう「俳優」さんは、まさしくマジシャンさながら、と言えますね。
今回は
Actorのカードの解釈、なんにでもなれる、その資質を活かすためにはーということを解説しています。あなたが想像している「こんな人」像は、この魔術師のエネルギーがあればすぐに手が届くのかもしれません。
なんにでもなれる
ゼロポイントの視点

まず、Actorのカードの基本解釈として
一番に上がるのが「なんにでもなれる」という自由な発想です。
コラージュでは、男性が女性の役をこなす / 鹿に羽が生えている(結構おしゃれ)、なりたいと思った現実を創ることができる。
このなんにでもなれる、という発想の根本には「ゼロポイント」という、プラスでもマイナスでもない、常に真ん中の位置にいます、ということがあります。だからこそ、そこにまつわる固定概念がないため、それやろう、創ろう、と思えば、自然に取り組み、当たり前に完成するー現実創造は当たり前、というのが魔術師です。
カードの解釈としては、そこから発展し、やりたいことに自由にトライしてみよう、という背中を押してくれるようなメッセージだったり、ゼロの視点に立てているのかを再確認してみる、といったように読み取れます。
仮面をかぶる
なんにでもなれる、もう一つの側面としては「仮面をかぶる」です。
俳優さんは、当然ながら自分とは違う「役柄を演じる」のであり、その人の体(てい)になりきっているーいわば見えないながらも、仮面を被っている状態です。
カードには、「戦士」として描かれているのが剣道の防具を身に付けている男性(男性性のカードです)、見た目の通り、仮面をつけて、その中ではどんな顔をしているかは見せずして戦うーActorとは、本当の姿を見せずに、という側面もあります。
こちらの意味をリーディングするのであれば、「仮面を被る必要がある」のか、「仮面を被っていることに気づく時」なのか、「ほかの仮面に変える時」なのか。
なんにでもなれるのですから、可能性というプラスの意味もあれば、そのために自分を見失う、というマイナスの意味も同時にあります。
Actorを日常で活かす
では、このActorの智慧を日常で活かす、という視点で見てみます。
スピリチュアルに限らず、「出したものが返ってくる」、いわゆる因果応報というエネルギーの返報性があり、それを実体験したという方も多いと思います。
だからこそ、なにを出すのかー周りには惑わされずに愛を送りましょう、というのも納得できる、かと。
そんな「愛の人」であっても、落胆はします。
愛情たっぷりに、愛を送りましたが、スルーされたり、搾取されたり…ということに出くわすかもしれません。ですが、「あの人に送った愛-Give」が「あの人から返ってくる-Take」とは限りませんー愛の循環は直線ではないので、大きな宇宙視点で見ればなんの問題もありません。
当然、悲しいという感情はありますが、そこに執着する必要はなく、手放して良いことです。
そういった経験の中で
なかなか合わないなぁ、嚙み合わないなぁ、と感じる人が出てくる。
単純なところでは、「合わない」を感じたら、段々と離れる、距離を置いて…として様子を見ることがベストですし、「お互いの歩み寄り」という視点から、話し合いの機会を持つ、ということもあります。
実際のセッションでは
そういった話をすると「離れることが難しい」「すでに話し合いは試みたけれどムダ」ということが多いです。じゃあ、どうするんだ?という、八方ふさがり感が出てきます。
そこで必要となるのが「Actorー演じる」という視点です。
役を演じる
特に「タイトル」が必要な場面では、「本当はね」という自分の気持ちではないこと、をしなければならないことも出てきます。
- 仕事での役割(役職があればなおさら)
- 大きな目標を掲げたその渦中
今はここだ!、に専念しなければならない時も - 子育て
終わりもなく、超長期戦
自分のため、というより、子供のためという視点が最優先される
仮面を被る、その役を演じるという視点で意識を切り替えます。
演じる、という視点で臨めば、単純に周りに振り回されたり、利用されるだけ、ということもなくなります。そう思うと、なんとなく乗り越えられそうな、できそうな感じになるかと思いますが、この時注意することが2つあります。
仮面をつけたらー外す時間も必要
ココまではこの役柄、そしてココからはOFFの時。自分できちんと棲み分けする必要があります。
でないと、仮面が当たり前になったり、一体自分はなにをしたかったのだろう…と見失うことにもつながります。
これはまさに、Actorのカードのマイナス点として読める部分と同じです。
どんな役柄にするのか?
自分で想定した、あるいは「こんな役が求められている」という役柄を演じるわけですが、役柄の設定を、自分で決める必要があります。
台本書きも演者も自分ーではどんなふうに役柄を決めたら良いのでしょうか? なにを基準に?
シンプルですが「自分に誠実であること」を軸に、すべての役柄は決まります。
自分に誠実に

自分に対してはまっすぐであること。
最初に出てきた「Actor」のカードに戻ってみましょう。Actorは常に「ゼロポイントの視点」を持っていました。自分に誠実に、自分には演じずに、正直であること。
大アルカナ1番である魔術師が、アーキタイプに沿って成長し、完成を迎えるのが9番ーHermit-隠者となりますが、
隠者の魂のカードが「Integrity-誠実」です。
なんにでもなれるマジシャンは、なんにでも七変化しながら成長し、最終的には「自分」へと帰り、魂の一巡を終えてゆきます。
私たちは、なにかの選択に迷った時に
「どっちが / どれが良いかな?」
「これで大丈夫かな?」
と考えます。頭の中では「便利で」「効率が良く」「損をしない」という計算機が動きますが、究極のところ、なにに対して良いのか、は「自分に対して」「自分に誠実であるか、どうか」という視点だけです。
この1点がゼロポイントの支点となり、なににでも、どんな役でも演じられる「Actor」の強さを産み出します。
自分に対しての誠実を、ぜひみつけてみて下さい。
どんな役でも演じることができるようになります。