ボイジャータロットーFearー恐れと共に

誰しも「不安」や「恐れ」を感じ、それでも前に進む、その「恐れと共に」ー
というのが、タロットカードの解釈に関わらず、私たちが生きる上での基本姿勢、というところではないでしょうか? そうだよね、って納得できたり、あるいはよく聞くハナシでもあります。
個人差はあれど、特に新しいなにかに挑戦するという「初めて」なコトには、どうなるかわからないゆえドキドキ不安であり、恐いなという感情が生まれてくるものです。

そんな、私たちの基本的な感情でもある「恐れ」
今回は、ボイジャータロットと共に解釈してみます。

不安で不安で仕方がない。だって、どうなるかわからないんだもの。
そんな気持ちが高まると、「疑心暗鬼」ーそういえば、そういえば、と実はほとんど関連性のない過去や周りの出来事をかき集めてきては、さらに「疑心」が高まる。

 
良くない意味で使われることが多いですが「被害妄想」といったようなーあぁだから私はもうだめなんだ!みたいに発展してゆくことにもつながります。

 
そんな負のエネルギーがぶつかり合うと
偶然に誰かとぶつかっても「わざとちょっかい出された」
誰かと眼があっただけでも「睨まれた」「嫌われている」
そういった、お互いが、お互いに一触即発になり…。これって、息が詰まりますよね。そんな毎日ではどんどん心が疲弊してしまいそうです。
 
 
これらは「疑心暗鬼」ですから、そこに鬼がいる!そうに違いない!!、という絶対的な自信に満ち満ちていてーなので、その自信を違う方面に向けてくれたらいいのにな、というところです。
「他人事」としてみるなら、そうだよね、とあなたも納得できるのではないでしょうか? 

 

 

Voyager Tarot-Seven of Cups-Fear

ボイジャータロット、7番「戦車(戦士)」感情の関連カードは
「Fear-恐れ」です。
戦場で戦う戦士、そもそもがぶっちぎりのパワーと精神力を持ち合わせているとはいえ、戦場へと向かい真っ向勝負(ではない時もある)に挑むわけですから、いつでも死と隣り合わせ、それを覚悟の上ー
だから何かを考えていたり、迷っている場合ではなく、それでも進めっっ!という圧倒的な強さが生まれてきます。
その強さの奥に潜んでいるのは「恐怖」という感情ーこれが最後の戦いになるのかもしれない…戦車、戦士という外見からは相反するような、ちょっと後退する、したくなるような弱さがそこにはあります。

Fearのカードに描かれているのは「海の底」から周りを見てみたら、というシンボルたちです。本来は美しい蘭の花が、不気味にヒラヒラと花びらを動かしている、なんだか触れたら巻き込まれて、あーれーとなってしまいそう…(そんな悠長な感じでもないですけど。。)


つまり、本来の形とは変形して、ゆがんで見えている。それは光わずかな海底であり、水の流れを伴っているといういつもと違う場所だから。そして、もう地上には上がれないのかもしれないし、という恐怖もつきまとう。
まさに、疑心暗鬼と被害妄想というカオスな世界観で、自分が占められてしまっています。



海の奥底で、焦って動けば動くほど恐怖が増してきます。
本当は優しいサンゴたちの群れまでも、食われてしまう感に襲われ、どんどん光が薄く視界はさえぎられてゆくー

 
現実に置き換えれば
私たちがいわゆる負のスパイラルにハマっているようなとき、なにをやっても八方ふさがりでもう行き止まりだ!と精魂尽き果てるとき。
それは、この海底で動き回っているようなものなのかもしれません。


恐らく、そこに「出口」は…なさそうです。
どんどん深見にハマって、見えるものすべてがゆがんで見えていく。
ならば
「上を」目指したら…どうでしょうか?


海底の、光わずかな奥底でさまよい続けるから「出口」が見えないのであり、
現実の、眼の前に広がる「条件」だけを見るから、もう改善の方法が見当たらない。

 
ならば、上を目指す、と意識してみる。
疑心暗鬼ーそうに違いない、という絶対の自信を、ここで方向転換してみましょう。
携帯のCMでもありましたが、上空の世界では雑音、騒音が聞こえず、非常に穏やかです。海底の中で、直視するから(ガン見な状態)なにもかもが変形して見えましたが、空高いところから見てみたら、きれいに咲く花だったのかもしれないし、よくわからないくらいのちっちゃいコトなのかもしれません。
そう、上空の世界はクリアで、行き止まりどころか、どこでもドアな世界があります。
上は空いているのです。 

 

 

恐いよね…という恐れの感情を持ちながらも、その恐れと共に全力で立ち向かう戦車、戦士はやはりカッコイイですね。


◇余談ですが、ボイジャータロットを創られたジェームス博士や、レイキの創始者である臼井先生は数秘が「7番」です。やはり、それだけの強いパワーがあるのだな…と納得です◇


タロットカードの解釈でいえば、「6番」のアーキタイプでは「統合意識」を学んでいますから、相反する気持ち、状況の中でも上手に手綱を引くことができるー「恐さ」と「前進」をしっかりと両立しているのが「7番」といえます。
「統合意識」とは、プラスだけを引き出すことではなく「マイナス」と「プラス」が同等ある、という陰陽の世界です。だから、その恐れの感情を、否定することでもなく、それ自体を軸として振り回されるのでもなく、「恐れと共に」進む、というあくまで自分主体の選択をすること。
 

上を目指す、という抽象的な例を挙げましたが、それは意識を拡大させることです。
~意識を拡大させ、空高くから全体を見渡すと、選択肢が多くなって余計に自分の道を迷ってしまうのではないですか?
そんな疑問が出てくるかもしれませんが、ここでお決まりの逆説ー
上空になればなるほど、自分の選びたい道はクリアに見えます。見たいこと、選択したいこと、ありたい世界が「全体を通して」よく見えます。
そこは不安や恐れのない、愛の楽園ーというわけではありません。恐れも不安も、悲しみもあります。


それでも、「恐れと共に進む」
そんな戦士の強さも、そこにはあります。