完璧とは、どんな状態?

『偶然にしてはできすぎ』
刑事ドラマでの敏腕刑事のセリフ、よく出てきますよね。
日本はもちろん、世界数十ヵ国で翻訳されている、ある刑事ドラマの主人公警部補は、捜査していく上で「偶然」を嫌う。出てきた字幕は「クサいな」でした。
そして、偶然よりも、さらにもっともっと嫌うものは?ー
『パーフェクトアリバイ』

だそうです。

パーフェクト、なのに嫌われる。
パーフェクト、なのにおかしい。

結構な逆説…という感じですが、あなたの感覚としてはどうでしょうか?パーフェクトを、目指していますか? 警部補みたいに、パーフェクトはおかしい!って疑うでしょうか??
 
100%があるのなら、100%が完璧で、そこに達成していなければ「足りない」ということにもなるのですが、そもそも「100%」という「完璧」とはどんな状態なのでしょうか?
 

完璧主義

数秘5番、自他ともに認めるドM(?)な当方は、昔っから完璧主義でした。
あれもこれもそっちもあっちも。なにがどうひっくり返っても大丈夫なように、2手3手4手先を見てせっせと動くタイプ。なかなかに疲れるタイプの生き方です。
似たような方もいるのではないでしょうか? 
 

そのようなクライアントさんに出会ったときには「ご自身の思う70-80%で臨むように」とお話しするわけですが、自分が完璧主義だった故、そのどうもハンパな感じがとてもよくわかります。
70-80%って、ただの中途半端ですよねっっ??、という感覚が沸き上がるわけです。

 
とはいえ。
そういったしばし”やりすぎ”な方は、70-80%でちょうど良いーそれが、抽象的に言えば「普通の」100%というわけです。
つまり、100%=パーフェクトとは、主観の話でもあり、立ち位置を変えたらそれでも「足りない」こともあるし、もちろん「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、だからこそ台無しにしてしまうという悲劇もあるということに。
 
 
ケースバイケースなパーフェクト。
実は100%って、かなり流動的なのかもしれません。
 
 
 

諸行無常

Voyager Tarot-VIII Balance

なにごともバランスが大切、バランス次第、と言葉でいうのは簡単ですが、その実践はなかなか難しいものです。

ボイジャータロットカードの、大アルカナ8番ーバランス
その土台となるのが、ひと際大きなダイヤモンドーこれが自分自身 / 自分軸という象徴になっていますが

ポイントは、先端が先細りの細い部分1点になっていること。
もっと、この接地面が広くガッチリしていたら安定するのに、こんな小さな点では、グラグラして危ないですね。。

しかし、これこそが真の「バランス」のとれている状態です。

「バランスがとれている」と聞くと、左右対称な静止状態をイメージされることが多いかと思いますが
実際の「バランス」とは、静止状態ではありません。
”やじろべい”をイメージされるとわかりやすいかもしれません。左右均等に揺れていながらも、それがバランスのとれている状態。やじろべいは、止まるとパタンと倒れてしまい、立っていることができません。
 
 
常に小刻みに動いている。
常に変化しているー止まってはいない。これは、仏教用語でいう「諸行無常」ということでもあります。
それもそのはず。意識していてもいなくても、ほとんど意識している人はいないと思いますが、この地球も、太陽系の中心である太陽自体も、一時も止まることなく「動き続けている」。だから、変化は避けられないというのが、現実です。


変わりたいけど、変われない、というのは、誰しにも起こることかもしれませんが、「変われない」のは、本能的には「変わりたくない」という安定、一定を求める潜在意識の一端ということもあります。
ですが、常に変わり続ける、諸行無常の世界なので、「ずっと変わらないなにか」というのはなかなかありません。
その中で、常にパーフェクトを目指し続ける、というのは…ちょっと疲れる生き方かもしれません。 

 

 

「今」の完璧を

では、完璧を目指していることは良くないことなのか? 無駄なことなのか?
というと…そういうことではありません。
100%という、上を目指す!という姿勢ではなく、どうでもいいやと思うなら、その意図が結果となり、「どうでもいい」という結果が残ってゆく。
 
 
あれ?
矛盾しているようですが… 要は「今のベスト」を尽くす、ということです。
理屈的には、今日より明日、明日より明後日、の方が成長している、ということになりますが、そこまで小刻みでは体感はなかなか難しいかも。
数か月、一年、二年…と過ぎていくと、「あの頃とは違うな」という、成長した、また新しい「完璧」に出会えるはずです。
 
 
大事なのは、方向性を見据えて「今」に集中すること。
過去でもなく、未来でもなく、「今」に集中すること、といろいろな場面で聞く話ですが、結局自分自身の「身体」は今ココにしか存在できないからー自分の全部のエネルギーを集中させることで、思いのほか、あなたの「完璧」は完璧に近づいているのかもしれません。