「しょうがない」から生まれるエゴの対立-前編

「しょうがないじゃない」と思うこと、あなたは日常でありますか?

しょうがないーこれといった対処の方法がなく、困り果てる様子だ(新明解国語辞典)
困りました、どうして良いのかわからないし…もうしょうがない!、となる。
 

日常で起こり得る感覚ではあるものの、そのベースにある自分の価値観が非常に重要になってくるところです。
なぜなら、この「しょうがない」は『あたりまえの基準』へと発展していくーしかし、自分の持つ ”あたりまえ” は、必ずしも他人の持つ ”あたりまえ” とは同一にはなりません。
お互いのあたりまえが「VS」してしまうと、エゴの戦いになってしまい…なんの解決策も生まれない。

 
「しょうがないじゃない!」は、厳しいようですが、自分ではなく実は「他人が」決めること。
しょうがなくても、それは「自分の責任であること」。

 

それだけ聞くと、ちょっと偏りを感じるかもしれませんが
私も、あなたも、みんな「しょうがないなぁ」を出したり、受けとめたりしながら、そうやって助け合いながら生きているー責任を持つとはいえ、1人きりで、と割り切れるわけでないので、ベースの価値観が重要です。
 

SNSで炎上、と最近ニュースで取り上げられた「線路にお財布落とした話」を例として、「しょうがない」に潜む裏側を見ていきます。


 

しょうがない、を使う時

自分では対処法がない、という時に「しょうがない」という言葉が出てきます。
炎上となったのは、ある人がお財布を線路に落としてしまった、からスタート。わざと落としたわけではないし、自分で取りに行けないし→だから係の人に取ってもらう、そう、まさしく ”しょうがない” 状態です。
 

SNSでは動画が拡散したので、私も見ました。ご本人も「しょうがないじゃないですか」と実際この言葉を使っていました。もちろん、全部の状況を知っているわけではないので、軽率なことは言えませんが、落としたお財布からお金が出ていた、とか(1万円札)。お金がーーー、と焦るのが普通、こんな場面では「しょうがない」という言葉がぴったりです。


緊急停止ボタンが押されたことから、ちょっと電車に遅延も発生したこの事例、電車に乗っていた方にとっては、また「しょうがない」事態が発生したかもしれませんー電車が遅れて、待ちあわせに遅れた / 接続の列車に間に合わなかった、とか。

 

故意ではないのだから「しょうがない」
電車の遅延なのだから「しょうがない」
 

しょうがない、のですが
これも「自己責任の範疇」です。責任、というと言葉が強いのですが、「私」が故意ではないにせよ起こしたこと / 電車が遅れたことーそれらは「あなた」に何の関係もないからです。

しょうがないのだから、ということで「あたりまえ」にしてはいけない。
私個人にとって、という視点であることを忘れてはなりません。


自己中 VS 自分を尊重

自分を大切にする、自分が優先、とはよく言われることですが、では「自己中心的」ということとはどう違うのでしょうか

自分が真ん中で、自分の想いが優先なのに、自己中はNGという。

自己中、とは自分の欲のままに自分を真ん中に置いているだけ。自分を「大切にしている」という状態とは似て非なる状態です。
「しょうがないじゃない」をイコールで「(だから)あたりまえ」、としてしまうのは自己中、というこちらに入ります。
「しょうがないなぁ」と言って、自分の手を取ってくれる人もいれば、取ってくれない人も、いる。それを自覚する必要があります。

対して
自分を大切にする、とか自分を尊重する、とか。こちらは、自分は1人で生きているわけではない、というワンネスの意識を持っており、自分を大切にすることと同様に、相手も、他人も大切にしています。なので、自分が苦しいときはヘルプ!と素直に周りへ助けを求めたり、反対にヘルプを求めている人へも進んでその手を取ることができる。
但し、自分が真ん中であるゆえ、自分のキャパをオーバーする時は、依存なくしっかりと境界線をひく強さ、も同時に持っています。


「感謝して」「人に親切に」は、レイキの五戒でも謡われていること。
自己責任、ではあるものの、みんなで助け合っているよ、というのが、宇宙が求める「調和」の世界です。
 

「しょうがない」を”全面”に出してしまうと、いわゆる「エゴ」が押し出されてしまう。
絶対に譲れない!!!という強い思いは尊重してOK、ですが、いつもエゴが立つ自己中だと、自己中というエネルギーが自分へ返ってくることにもなります。

今回のお話では、突然and焦りも伴ったことから、自分の「あたりまえ」が全面に出るーエゴが先に立ったのではないでしょうか?


エゴが対立すると

さて、ここまでは「線路にお財布を落としてしまった人」の「しょうがない」側面を見てきました。
SNSで炎上したのは、VS対応した駅員さん、という両者への賛否両論でした。

長くなりましたので
駅員さん側の「しょうがない」は次回へと続きます。