ボイジャータロットNo.4ー皇帝の魂のカードが「Aspiration」、日本語訳では「大志」とされることが多いですが、”強い願望”という側面から「熱望」と訳されることもあります。
一国の主である、強いエネルギーを持つ「皇帝」の魂(Wand)ですから、それなりの強さもイメージできるところ。
そこで、今回は「大志 / 熱望」というカードからのストレートな解釈と、発展して「皇帝の持つ魂」という視点からの考察を書いています。リーディングの参考にされてみて下さい。
高みを目指す

自由の女神が描かれていることからも、魂の想い、目指すところはつねに「自由」です。
高くそびえたつ塔、ちょこんとしたかわいい4つの後ろ姿(中央下部)は「リャマ」ーラクダの仲間のリャマは、高地に生息する動物であり、既にそこは「高みのある場所」
ですが、大きく拳をかかげ、黄金の手を伸ばしきり、さらに自由を、もっともっと、と常に上を目指す、という魂の想いが表現されています。
ここで登場する黄金の手は、「No.10-Fortune-運命の輪」で登場する手と同じものとされ、自分で運命の輪を回してしまうくらいの強さを持っているものです。

そして、同じく10番の関連カードとなるWands-魂のカードは「Growth」
老若男女、老いた手も、赤ちゃんの手も、常に「成長」を目指して上へ、上へと手を伸ばしている。
私たちは、自然と前を向き、上を目指す、がんばるという視点を持つのは、こういった魂の持つ性質が反映されているから、と言えるでしょう。

4番ー皇帝の魂視点に戻ると
国の繁栄のために、なにができるのか、もっともっとという高みを目指して、ある時は先頭を切って戦う、そしてある時はその愛の想いを引き継ぐべく後世を育てる。国民の希望や落胆まで、一手にそのエネルギーを背負うのですから、非常に精神的にも強くある人ですね。
その強さの源、根底にあるのが「Aspiration」です。常に高みを目指して前進する!という、「熱望」があり、その「大志」という大きなこころざしが根付いています。それは、引き継がれた魂の想いであったり、だからこそ生まれる「あきらめない」という強い意志であり、とも言えるでしょう。
リーディングでは
そういった内に秘めた、かなりの「強さ」を持つカードなので、こちらのカードが登場した時には、自覚がない場合もあるかもしれませんが、実は非常に強い「想い」をすでに持っている、といった解釈ができます。その実現のために、今できることはなにか。
また、前後のカード展開によっては
その「大志」を思い出せ、なのかもしれませんね。つい日常に追われて、自分が目指していたことや希望、願望…忘れ去られていたけれど。魂からのお知らせとして、カードに現れてきたのかもしれません。
願いごとが叶わない
次に、応用編の読み方です。
私たちは、なにかしらの願望ー「○○しますように」という願いがあり、そのためにスピリチュアル的になにかをしたり(いわゆる引き寄せの法則とか)、日々行動へと取り組んでみても、それでも「叶わない」ということも多いのではないでしょうか?
達成しないのには、それぞれいろいろな要素があるわけですが
とにかく大きく区切るのであれば
「出したものが返ってくる(来ている)」➡「足りない」
達成するには至らぬ=足らない、という側面があります。
なかなかに無常なハナシなのかもしれません…(ごめんなさい…)がんばっているのに、どうしてあの人はできて、自分はできないのでしょうか??悲しみ、落胆、さらには怒りも沸き上がってくるところ。
なにが足りないのかと言えば「振り切る力」ーAspirationのパワーが足りない。
この「振り切り方」とは、事柄によって、個人の持つ資質によって、現状という環境によってなどでも大きく変わります。だから、「Aspirationという熱量が足りない!」= 昭和的な「24時間戦う姿勢」が必要なんだ!、とただ ”熱い” ことを言っているのではありません。
足りないのは?
具体的に”なにが”足りないのかー
絶対数という、眼に見える「数」(時間)ということでいえば
例えば、プロのスポーツ選手を目指しているのに、1日10分間の練習、では足りないでしょう。引き寄せやスピリチュアル云々の前に、シンプルな実力不足という場合も多いです。
ですが反面、「継続は力なり」であり、継続できること自体も「才能」です。
1日に充当できる時間は10分間でも、毎日毎日本当に時間をやりくりしながらコツコツと積み上げた時、あなたの願望へとガッツリ前進することにもつながっていることもあります。
そういった、物理的な絶対数という場合もあれば、そういうことでもない…ということも。では「振り切る力」という熱量、見えない世界の ”エネルギー” としては、どのような状態なのでしょうか??
メーターを振り切る
ここでいう「振り切る力」は
「迷い」がないこと
それが、真に持つ皇帝の魂力「Aspiration」を活かすせるのかどうか、に関係してきます。
新しいことを始める時など、誰でも迷いがあって、不安があって、大丈夫かな…と心配するのは普通です。それ自体を「消し去れ」という話もありますが、そもそもが人間の持つ感情体なので、かえって不自然かと…思われます。「その不安と共に、一緒に進んでいくのだ」というのが模範解答ですが、
本当にコレをやりたい
コレを現実化したい
コレをやっている時が本当に楽しい
そういった「上を目指す」という方向性に対して、全部の自分で「迷いなく」エネルギーを注ぎこめる時ーAspirationの振り切る力が発動します。不安があっても、それでも進める強さも自然と生まれます。
先に書いたように、事柄 / 個人の持つ資質 / 環境等、振り切り方は様々ですが、たとえ時間的な数値として10分という短さであっても、自分のメーターを完全に振り切るほどの熱量を出せていること。
ここで
「ねぇ、それって本当に?」「みんな、そんなことしていないよね?」「おかしいって、思われたりしない?」といったように、自分自身への自信のなさ、疑い、ネガティブな信念体系等があると、「迷い」が自然と足を引っ張ります。いわゆる「Dワード」(だって / でも / どうせ)は捨ててみましょう。
あなたの「なかなか叶わない願いごと」は、単純に「顕在意識」での執着心を伴う願いであって、心から(魂たちも)望んでいることではないのかもしれませんし、(自分自身に)安心感を持てないという不安定さが、どうしても発動力を抑えている、のかもしれません。
熱望に辿り着く
本来持つ、皇帝の強力なエネルギーを動かすには、自分のメーターを完全に振り切るほどの熱量を目覚めさせること。反対に、そこまでのものをみつけられたら、そもそも人生は楽しいに決まっている!とも言えますし、そこまで振り切れないなら「全部の自分」で見ている望みー熱望とは言えない、ということも。
そして、人生は「体験」なので、振り切らないことには「次なるステップ」に辿り着けない…ということもあるでしょう。なんだかな…というハンパなところにいては、同じことを何度も繰り返すだけ…というループが続いたりもします。(同じことの繰り返し、というパターンを持つ人も多いです)
眼に見えるなにかに振り回されると、本来の「熱望」、魂の望む「大志」を見失いがちにもなります。あなたの「Aspiration」はなにを語り、どこを目指しているでしょうか?
ボイジャータロットと共に、今一度自分を振り返ってみて下さい。1つ1つの目標、ゴール達成ではなく、真の方向性を見出すことは、皇帝のエネルギーの開花でもあります。