タロットカードの大アルカナ7番は「Chariotー戦車(戦士)」のカード。戦いに挑む勇敢な姿勢と圧倒的な行動力、そして知性も併せ持つ。その姿は、誰もがあこがれるヒーローやヒロインのような「カッコよさ」の象徴です。
今回は、この「Chariot」の一般的な解釈を一歩深め、その裏側に隠された「もう1つの側面」に光を当ててみたいと思います。数秘が7番に関連している方、タロットカードの解釈の幅を広げてみたい方など参考にされてみてください。
ボイジャータロット「Fear」

ボイジャータロットの、Chariotに関連する感情のカードは「Fear(恐怖)」です
Fearのカードに関しては、詳細を投稿した記事がありますので、詳細はこちらからどうぞ。
戦いに挑む戦士の感情カードが「恐れ」というのは、意外なところかもしれません。ただ、戦士とは常に「死と隣り合わせ」という極限状態の中で前進する存在。
つまり、強さとは「恐れがないこと」ではなく、「恐れを超えて進むこと」を指しているようです。
そして、こちらのカードで描かれているシンボルたちは、すべて「海底から見上げた姿」で表現されています。地上という「現実」とは異なる、ゆがんだ姿。
なんだか怖い。恐ろしい。よくわからない。自分にはできなさそうだ。
多くの人たちが尻込みしてしまいそうでも、戦士は戦う。守るためにも戦う。一番の先頭へと自ら買って出る。
「恐れ」を「幻想」へと逆に変えながら、現実の1歩を踏み出す。Chariotは、非常に力強いアーキタイプ(原型)と言えるでしょう。
ウェイト版タロット「7 of Cups」

続いて、ご参考までにウェイト版タロットの同じく7番の感情「CUP」のカードを見てみましょう。
ボイジャータロットのように「Chariot」の感情のカード、という分類ではありませんが、ベースのテーマは同じー「幻想」がテーマとなっています。
感情を表すカップには、さまざまな希望であふれているー宝石、富、名声、知恵…それらを1人眺めて「おぉ…すばらしい!!」と浸っているような…感じでしょうか。
ただそれらは「現実」ではなく、すべて雲の上の話。眺めているだけでは現実に形を成しません。
「叶わなかったらどうしよう」「失敗するのが怖い」
そんな幻想に足を止められたとき、Chariotの発想が必要になります。それは、「恐れと共に進む」こと。行動することによってのみ、幻想は現実へと変容していきます。
色濃く残る「恐れ」の感覚
Chariot(戦士)は常に前を向いているため、日常の意識(顕在意識)として「私は恐怖を感じている」と自覚している人は、実はあまり多くないのではないかと思います。
カードリーディングで「Fear」のカードが出ても、「特に恐れていることはない」「恐れ?別に…」と答える方が多いのも、そのためでしょう。
ここで
少しスピリチュアルな側面から見てみると、「恐れ」は人類がワンネス(いちの世界)から分離し、二極化の世界に降り立った瞬間に生まれた、避けられない感情です。
ワンという1つの世界から分離、分極をした時点で「愛しかなかった世界」から離れてしまった。だから私たちの祖先、古くは銀河系の古代人たちの時代から、生き残るために以下の行動を選んできました。
- 克服しようと戦う(不足を埋めるためにがんばる)
- 現状をひたすら守る(自分の周りだけ安全を確保する)
- 最大の防御ー逃げる(関わらない、知らないふりをする)
これらは脈々と現代の私たちにも引き継がれています。「がんばりすぎること」や「無関心」の奥底には、実は根強い「恐怖」という原型のエネルギーが潜んでいるのかもしれません。
もう1つの選択
それでも恐れと共に前進するのがChariotですが、魂が成熟するにつれ、新しい側面が加わります。
- 戦う
- 守る
- 逃げる
それらは基本のChariot視点ですが、もう1つの選択肢を足してみるなら
surrenderー明け渡す、委ねるー
タロットカードでいう「12番ーDeath」の感覚に近いでしょうか。surrenderとは、日本語で「降伏/降参」とも訳されるので、それは戦士にとっては「負け」に違いありません。途方もない「Fearー最も恐ろしいこと」であるのかも。
ですが
私たちの奥深くに残り続ける「恐れ」を、本当の意味で、そして最終的に超えてゆくそのための鍵は、この【手放し】にあります。
それは「どうでもいい」「さっさとあきらめる」ということなのではなく、「人事尽くして天命を待つ」という境地です。
自分に誠実に、できる限りのことをしたのなら、結果は天(宇宙)に任せて執着しない。
勝利のために戦う戦士-Chariot、「勝利」のために戦う精神を育て、その先に「手放す」という選択肢を持てたとき、二極化によって生まれた「恐怖」は、再び「源(愛)」へと立ち還ることができるのではないでしょうか。

