オセロの反転~オポジションの活用

opposition-オポジションとは、言葉の意味として「反対 / 対立」であり、向こう側にあって、交わらない状態のことです。
ホロスコープ上で、2つの天体が正反対の位置にあることを「オポジション」、天文学的には「衝(しょう)」と言い、占星術では凶角ーハードアスペクトの1つ。
友好的というよりは、対立する角度なので「凶」の分類になるのですが、オポジションの制覇はいわば「秀才」を生み出し、見えない世界での「魂の成長」そのものということも言えます。
そんな、逆説満載なオポジションにまつわる話が今回のテーマです。ご自身のホロスコープにオポジションのある方、ぜひ読み進めて見て下さい。

「自分って、○○ができないんだよなぁ…」「○○ができたらいいんだけれど…」という、自分の持つマイナスな要素に気づいている、けれどもなかなか改善できなくて…
といったパターンも多くあると思います。だから、「それ」ができている人って、うらやましくて、あこがれで、発展して妬みに変わっていくこともありますね。
 

そこで登場するのが、さまざまな自己啓発だったり、スピリチュアルのメソッド。「本当の自分」「本来の自分を取り戻そう」ーそのためのあれこれが日々編み出されています。
 
そこで
「成長」という側面から見ると、「できなかったことができるようになる」というのは、明らかな成長であり、自分自身でもそれを感じることができて、うれしさも、満足感も、達成感もあって。そう、これぞ「本当の」自分なのだ、と実感する。
 
これは
紛らわしい表現なのですが、本当に「本当の、本来の自分」が目覚めた、ならそこから新しいタイムラインがスタートし、今までとは全く違う流れになりますが、シンプルに「できなかったことができるようになった」という、『成長の一過程』という場合もあります。
それを勘違いしてしまうと、いわゆる「本当の自分」なるものが、結局埋もれてしまいます。
 
 
 
  

「本当の」って、なにが一体 ”本当” なのでしょう?? と、基本的なところを突っ込みたいところです。
ゆめから醒めさせてしまうかもしれないのですがー
○○ができない自分が、できるようになる → そういう風に変わりたい!変わるんだ!、という希望を持つ時、私たちは「いつでも」「普通」に、その今まではできなかった○○が「できる」ということをイメージします。そんな軽やかな自分を想像します。
 

が、実際は違うことも多いです。
本当の自分ー本来の自分を活かす、自分らしさとは、陰陽のバランスであり、その波動のクリアさです。できなかったことが → できるようになる、のは一面で、「必要であれば、それが顔を出す(できるようにもなる)」という表現の方が近いでしょうか?
つまり、ベースにあるのは自分で「できなかった」と思っている部分です。自分で「できない」と思っていただけで、そこにはメリットが多大にあり、今はそれが活かせていないため「できない」ことで「負」を背負いすぎ、自分に負担をかけているーもう変わりたい!、という気持ちになっている。
 

今までは「できない」と負に感じていたことが、自分を活かすポイントになる??ーここで、オセロの石は一気に反転します。単純な「できない → できる」という変化 ”だけ” ではありません。「できない」ことこそが、オセロの石を反転させるカギとなるのです。 
 

 
 

具体的な例を出しながら「オセロの反転」を確認してみましょう。

たとえば
なかなか思っていることを口に出せない
というパターン。優しさゆえに、周りを忖度しすぎてしまい、結局なんでも引き受けてしまうことになったり、なんだか自分だけ損をしているような虚しい気持ちにもなったり、実際身体は疲弊しているし…もっと、自分の想いをストレートに表現できたらー
 
 
自分の意見を堂々と話す人、説得力のある話し方、あぁかっこいいよな…あんなふうになりたいな…そんな風に、誰かを見ながらうらやむこともあるでしょう。
こういった場合、「言えずに」我慢してしまい、自分に負荷がかかりすぎて負担 → それを、「言える」自分に変えてゆく、ということがまず第1歩です。
 

なんで言葉を吞み込んでしまうのかー自分と向き合い、自分に正直に、自分のために、勇気を出してトライを重ねる →「言える」という自分ができあがってきます。
 

ただし
これが「本当の自分」ということではないかもしれません。だから、最初に思い描いた誰かみたいに、なんでも、いつでも堂々と語る、という人にはなっていない、というパターンも多いでしょう。
そこで「あぁ、やっぱり自分はまだまだだ」と落胆してしまうかもしれませんが・・・違います!!


そもそもは
周りを見据えて、みんなを気遣って忖度する。そんな大きな視点と、優しさを持っている、ということがベースの資質です。そのバランスを崩していたから、自分に負荷がかかり過ぎたー
そのバランスを改善するーバランスですから、中心点 / 支点が必要です。その支点を定められる強さを学んだら、『必要な時には』ちゃんと、堂々と、自分のために表現します。言います。とはいえ、「いつでも」「なんでも」言う、というよりは、受容力の高さに秀でている方ですから、受けとめるということがメインです。
 
 
そのうえで、力を注ぐことをより分け、受けとめたけれど手を離す場面だな、と思えば、後ろへ流す器用さも持ち合わせるようになる。

 
そういった「ダメだ」と思っていたことが、一気に自分の最大のオリジナリティへと変化するーオセロの石は一気に全部が反転する。これが、魂の成長そのものと言えます。



 

「自分を活かす」「本当の自分」とは、『別人』の誰かになることではありません。(冒頭でも書いていたように、気づくことで一気に ”本当” が開花するパターンもありますので、絶対ということはありません)
 
 
出生図のホロスコープ、ネイタルチャートは個人別の「エネルギー図」です。どのような資質を引き継ぎ、そしてどの惑星たちとのご縁を持つのか。もともとから「オポジション」という正反対の角度を持つ場合、そこに課題やテーマが潜んでいる。少しずつ「反対」から距離を縮め、縮め…やがては「一体化する」それこそが真の、身を以って達成した「陰陽バランス=統合意識」と言えるでしょう。
 

できることを増やす、ということはある意味シンプルで、わかりやすいとも言えます。
ただ、全部の世界を「できる」という「陽」で埋め尽くすのは不可能です。コインのウラとオモテのように、「陽」と「陰」はセットです。なら、どのような「陰」を育てるのか。ガマンしてガマンして、つらいからどっかの場面では罵詈雑言を吐きまくってーという「陰」ではなく、オポジションに代表される向こう側にあることへと、少しずつ自分を成長させてゆくことで、バランスの取れた、穏やかな「陰」を持つことができるようになります。
あなたの持つ「できない」と思っていることを、ぜひ反転させてみて下さい。惑星たちも、それを応援しています。




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